私と競馬
まなび
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競馬を始めたきっかけ ― 1999年、福島競馬場で見たスプリンターズS
競馬を始めたきっかけは、今から20年以上前、1999年の冬にさかのぼる。
その年の瀬、冬のボーナスが出たばかりで、クリスマスも近く、世の中全体がどこか浮かれていた時期だった。有馬記念の前の週、職場の先輩に誘われるまま、僕は福島競馬場へと足を運んだ。競馬のルールも知らなければ、馬の名前もひとつも知らない。完全な初心者だった。
とりあえず売店で競馬新聞を買ってみたものの、書いてある内容はほとんど理解できない。そんな中、紙面に大きく「マサラッキ 鉄板」の文字を見つけた。今思えば「鉄板」の意味すらあやふやなまま、「これは堅いやつなんだろう」という軽い気持ちでマサラッキを軸に馬券を組み立てることにした。
相手に選んだのは、レッドチリペッパー(似た名前のアーティストがいたから)、キョウエイマーチ(競馬ゲームでどこかで聞いたことがある名前だったから)、あとは他に数頭。今振り返ると、予想でも何でもない、完全な語感頼みの選択だった。
レースは1200mの短距離戦。結果はブラックホークが優勝、2着アグネスワールド、3着キングヘイロー。頼みのマサラッキは3番人気に推されていたものの、9着に終わった。レッドチリペッパーは5着、キョウエイマーチは13着。もちろん馬券は不的中。手元に残ったのは、外れ馬券と、ちょっとした悔しさだけだった。
それでも、あの日の競馬場の空気――年の瀬の浮かれた雰囲気、先輩とのやり取り、外れた瞬間の妙な悔しさ――が、なぜか記憶に強く残っている。振り返れば、この「訳も分からないまま外した」一日が、20年以上続く競馬との付き合いの始まりだった。