競馬の「計算馬券」は本当に多い?3連単6万7410レースで検証
競馬には「的中馬券の馬番3つは、足し算や引き算でつながることが多い」というオカルトがある。いわゆる「計算馬券」だ。
そこで、筆者が集めたJRAのレース結果データで2004年〜2026年の3連単6万7,410レース分を調べてみた。結論はこうだ。
- 計算馬券は確かに多い。**約8レースに1回(12.22%)**出ている
- ただし、馬番をでたらめに選んでも**12.10%**になる。偶然とほぼ同じだ
つまり「計算馬券が多い」のは本当だが、それは馬番に計算が仕込まれているからではない。もともとそのくらい成り立ちやすいのだ。
計算馬券とは
1着・2着・3着の馬番3つのうち、どれか1つが残り2つの足し算になっている3連単のこと。「大きい数−小さい数=もう1つ」という引き算の形も、同じ関係を裏から見ただけなので、ここに含まれる。
G1にも、計算馬券はちゃんと出ている。
| レース | 3連単 | 計算 | 配当 |
|---|---|---|---|
| 2025年 ホープフルステークス | 4→11→15 | 4 + 11 = 15 | 36万8,180円 |
| 2025年 天皇賞・春 | 6→14→8 | 6 + 8 = 14 | 2万2,360円 |
| 2024年 宝塚記念 | 12→9→3 | 9 + 3 = 12 | 9万1,680円 |
| 2023年 エリザベス女王杯 | 1→2→3 | 1 + 2 = 3 | 9,780円 |
| 2021年 日本ダービー | 10→1→11 | 10 + 1 = 11 | 5万8,980円 |
2023年のエリザベス女王杯は1→2→3。計算馬券としても、数字の並びとしても出来すぎている。
検証の方法
使ったのは、筆者が集めているJRAのレース結果データ。2004年8月から2026年11月1日(天皇賞・秋の日)までで、1〜3着の馬番と3連単の配当がそろった6万7,410レースだ。
ただ「何%出たか」だけでは、多いのか少ないのかが分からない。そこで「馬番をでたらめに3つ選んだら、何%が計算馬券になるか」も計算して、比べた。
たとえば、16頭立てなら1着・2着・3着の並びは16×15×14=3,360通り。この中で計算が成り立つ並びを全部数えれば、偶然の割合が出る。頭数はレースごとに違うので、レースごとに計算して合計している。
検証結果:計算馬券は偶然と同じだけ出ていた
どの形の計算も、実際に出た割合と偶然の割合がほとんど同じだった。
| 関係 | 実際に出た割合 | 偶然なら | 平均配当 |
|---|---|---|---|
| どれか1つ=残り2つの和(順不同) | 12.22% | 12.10% | 11万5,163円 |
| 1着+2着=3着 | 3.99% | 4.03% | 9万9,957円 |
| 1着+3着=2着 | 4.15% | 4.03% | 12万7,740円 |
| 2着+3着=1着 | 4.08% | 4.03% | 11万7,267円 |
| |1着−2着|=3着 | 8.23% | 8.06% | 12万2,548円 |
| 3頭の馬番の合計=頭数 | 2.90% | 2.75% | 12万5,522円 |
参考までに、全レースの3連単の平均配当は14万3,177円。計算馬券はそれより少し低めだった。ちなみにG1に絞ると、547レース中53回(9.69%)が計算馬券だった。
なぜ「多い」と感じるのか
理由はシンプルで、計算が成り立つ組み合わせがもともと多いからだ。
- 3つの数字で「足し算」と「引き算」の両方を許すと、どの数字が答え役になってもいい。当てはまる並びが一気に増える
- 約8レースに1回なので、1日36レースあれば、毎日4〜5レースは計算馬券になる。「今日もあった!」と気づくのに十分な回数だ
- 当たったあとに馬番を見て「計算が成り立つ」と気づくのは簡単。でも、レース前に「どの計算になるか」を当てるのはムリだ
さらに、「枠番も使う」「±1のズレもOK」「レース番号や日付も式に入れる」とルールを広げるほど、当てはまるレースはどんどん増えていく。計算馬券の「よく当たる感」の正体は、このルールのゆるさにある。
よくある質問
Q. 計算馬券だけ買えば当たりやすい?
当たりやすくはならない。計算馬券は偶然と同じ割合でしか出ていないので、絞り込んだ分だけ、当たりを取りこぼすだけだ。
Q. 計算馬券は荒れる?
むしろ少し堅めだった。計算馬券の平均配当は約11万5,000円で、全レースの平均(約14万3,000円)より低い。
まとめ
計算馬券は、確かに約8レースに1回出ている。ただそれは、馬番を3つ並べるとそのくらい計算が成り立つ、というだけの話だった。
とはいえ、レース後に「4+11=15、やっぱり計算だった」と気づく瞬間は、やっぱり楽しい。当たるかどうかは別として、馬券を見返す楽しみの一つとして付き合うのがちょうどいい。
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